「本当の単品管理」を行うための基本のデータがあります。全てを挙げるときりがないですから、主要な項目を。
季節・天候・気温・湿度・月・曜日・時間・商圏・立地・競合・来店手段・納品時間・商品登録アイテム・売価・値入率・メーカー名・ネーミング・デザイン・発注単位等です。
この中で固定されているものと変動するものをまず個別に分けて分析し、最後に総合的に分析し、そのデータを基に仮説を立てます。様々なデータから1つの仮説を生み出すから帰納法的なんです。そして仮説が上手くいってない時には、再度データに戻り、また次の仮説を生み出すのです。
データの使用割合や使う使わないで、いろいろな仮説が生まれてきます。仮説はあくまで仮説であり、100%当たるということはないでしょう。仮に100%を求めて仮説を立て続けると、あまりにも外れが多く、嫌になってしまいますね。
まず最初の段階では50%当たればいいと思います。2回に1回の確率で当たると。そういう考え方が気が楽で継続できますね。物事はできるだけシンプルに考え、50%ということは〇か×であると。コンピューターも「0」か「1」で同じような感覚ですか。ここでいう「当たる」とは品切れ&廃棄がほとんどなし、「外れる」とは廃棄ロスが出る、つまり売上も伸びないことです。
私の推奨する「本当の単品管理」は勝負する時は勝負に出る。でも勝ち目がない時には勝負しないことが鉄則です。ですから、確率の高い中で勝負するので、50%とはいえ、結果として全体では勝ち越しているという計算です・
例① 勝負する曜日を土・日、勝負しない曜日を月~金に設定する。1週間で勝負するのは2/7の日数です。つまり1回外れたとしても、〇×(土日) △△△△△(月~金) [〇(当たり)△(普通に抑える)×(外れ)]
トータルでは1勝1敗5引き分けで損はなし。引き分けというのは限りなく売上予測に発注数を合わせて、廃棄ロスを抑えることを指します。ですから引き分けというのは、廃棄ロス面から見ると実は当たりということなんですね。月~金の平日は発注をぎりぎりに押さえて廃棄ロスを抑える。そして天候を見ながらいけるという土日に品切れをなくすの最大限の発注をするということです。
例② 勝負する月(季節)を決める。勝負するのは、5・7・8月、冬(11~2月)は勝負せず逃げる。それ以外はお客様の動向を見ながら。特定の勝負する日以外は、発注を普通に押さえる。
1月から見ると、△ △ △ △ 〇(×) △ 〇(×) 〇(×) △ △ △ △
3/12が勝負する月です。売上が伸びそうな日には予測の中で最大限の発注をして良い月です。それ以外は9/12が引き分けです(日別には勝負する日もありますが月で見ると抑えるということです)。
上記の例でいいたいことは、発注を強くするか弱くするかを、まず月別や曜日別の全体で捉えている、その中で個別に設定するという手順です。ここで気づくと思いますが、発注を多くする=勝負するといっても、
①確率が高い時に勝負する②全体から比べて、勝負する回数は限られているということです。
つまり勝負して仮に全敗しても、全体から見て、何とか利益&売上はマイナスにならない仕組みになっている。プラスを取れそうな時に、言い換えるとお客様の来店が多く見込め、お客様の支持を上げれる可能性が大きい時に限り、勝負しているのです。
「勝てそうな時だけ勝負し、負けると分かっている時には勝負を避け、逃げるという作戦です」
当たり前、汚い作戦といわれるかもしれませんが、この手法でどれだけ多くの店が、少ない費用で最大の効果を上げ、競争に生き残っているか、この事実を認識していただきたいのです。
資金に余裕があれば、お客様の支持を拡大するために必要以上の在庫を持ち、品揃えと在庫の豊富さを前面に出しPRする。そして売り残れば大量に廃棄する。でもこんなことは現実的に多くの店ができないことなのです。
だからこそ、最小の資金で最大限の効果を出せるように知恵を使うのです。これは私の理論であり、実体験です。自ら行い、そして指導する各店舗で成果を上げ続けている手法の1つなんですね。
PR
<< 本当の単品管理の効果 | 小を大にする手法 | このブログの目的 >>
HOME | 戻る