理論ばかりではなく、時には知識も必要です。知識があると売場に並ぶ商品にも関心が出てきます。
今回はたくさんある商品の中で、あまり動かない雑貨の知識を。
雑貨の中でも化粧品関係は、男性は関心が薄いかもしれませんが、震災後の身近なコンビニ利用が高まる流れの中では存在感が出た分類です。
まずシャンプーです。大きく分けて2つあります。1つ目がファミリーユースです。このファミリーユースというのは家にあれば誰もが使うという共通商品ですね。シャンプーの銘柄でいうと、メリットやスーパーマイルド、ナイーブ等です。ということで誰でも使うから大容量のポンプタイプが主流です。2つ目がパーソナルユースです。主に女性が自分専用に使う商品或いは男性の育毛用です。銘柄でいうと、パンテーン・ラックス・ヴィダルサスーン・サクセス等ですね。これはパーソナルですので小容量が多いですね。
商品の特性やターゲットによりサイズや価格が変わります。ポンプタイプの方が価格が安いこともありますね。
もう1つ知識を。普通体は上から下へ洗いますよね。よごれが下へ落ちてもいいということもありますし、自然の法則でもありますか?まず頭を洗って、次に顔を洗って、体は上半身から下半身へと。
雑貨の中でケア商品も上段にヘアケアやフェイスケア商品が並び、下段にボディケア商品が並んでいませんか?
雑貨の知識をあげましたが、これらはマーケティングの世界では当たり前のことです。ここでは知識と云ってますが、マーケティングの世界では実は理論であり、この理論を基に商品開発や価格設定、陳列場所を設定しているのです。だから本部からの棚割りは適当ではなく、ある程度理屈にあったものとして観察してみてください。全てのチェーンの棚割りが絶対正確とはいえませんが、理論的になっていると思います。
これが何に役に立つ?すべての品揃えや陳列です。どんな知識(法則)があり、それを現場でどう具現化するか?つまり商品の特性とお客様のニーズを分析して最適なな品揃え(棚割)を造る訓練なのです。分類は何であれ、自店のお客様を知り、商品を知った上で、最適な品揃えを実現することです。これが正しい売場造り、単品管理の第一歩です。
単品管理と関連購買の関連性がよく理解できないという質問があります。
所謂、単品管理は単品のデータをみて、動きの要因を分析し、仮説を立てて、次の発注に活かそうということですね。しかし単品管理にも次元がいろいろあり、先のように単品の動きの分析だけで終わる場合もありますね。
しかしこのブログで説いているのは、単品の動きを創ったのは、2者存在する、それは発注者とお客様です。
そこでは発注者により「正しい品揃えと品切れのない在庫の確保」が実現された上で、初めてお客様の正しい買物行動が起こる⇒その買買物行動の結果をPOSデータで観る訳ですね。
そのデータを分析する時にも、単品の動き、つまり単に売れた、残ったではなく、どの時間帯にどんな動きをするかをまず観るんですね。そして質問にあった「関連購買」です。これはお客様が決まったアイテム同士の買い方をされる指標というかパターン行動なんですね。例えば弁当とお茶、新聞と缶コーヒー等です。主と従があり、主が存在しないと従が購入されない可能性があります。単品だけでなく、一緒に購入される商品も合わせて観ることで、よりお客様の買物行動に近づける、データを観ていても、お客様の動きが目に浮かぶということになります。
具体的は、こういう流れもありますね。入口を入ってまず「欲しい雑誌」をみる、あった。次にリーチインへ行き、いつものお茶を確認。そして米飯ケースへ、ここで欲しい弁当があった。じゃあここで買物しようということで「弁当⇒お茶⇒雑誌」と持ってレジへと、こんなお客様もいらっしゃいます。一通り欲しいものがあれば一緒に買う、でもどれかがなければ他の店で全部買おうと、ちょっと怖いですが、これが現実です。
「関連購買」は単品分析にとどまらず、お客様の購買行動全体を観て、仮説のレベルや精度を上げるだけでなく、ワンストップショッピングの実現も確約してるんですね。すぐ近くに店があるコンビニ競争の激しい時代は、不備な分類やアイテムがあればあるほど、主力商品をいくら強化しても売れないというおかしな現象が起こるのです。
「関連購買」は一連のお客様の買物行動に合わせること、つまりコンビニ商材に関しては必要な物を一度に購入できる店づくりを実現する手段なんですね。
機会ロスと廃棄ロス、普通は正反対として捉えていますね。しかし、実態は一緒であるという考え方もあります。私がいつもいう物事には2つの面があるという考え方では、同じものを全く異なる角度で見ているだけだと。
商品Aを仕入れて、想定時間よりも早く品切れした場合は機会ロス(チャンスロス)です。しかし売れ残ってしまうと廃棄ロスになります。仕入れた時点では同じ「売れるであろう商品」です。しかし結果は全く異なる、いや全く逆という結果になってしまうんですね。ここをどう捉えるか?
残ったから次回は発注数を削るというのが素人の単品管理?縮小均衡ですね。
発注数の決定方法、いわゆる仮説が違っていた、だから次回は仮説に至るデータを再度分析して発注しようというのがプロの単品管理です。
さらに「本当の単品管理」レベルでは、仮説に至るために使用したデータ数、そしてデータの重要度というか、要素の割合の配分の仕方、構成比ですね、ここを見直そうという具合で。
上には上がいる、そしてお客様の変化も早いです。如何にお客様とその変化に近づくことができるか。本音を言えば、全てのお客様に購買の可否或いは改善点をインタビューしたいものですね。
それができないからこそ、データを見て、単品管理。実は単品管理といっても「本当の単品管理」では単品の動きを捉えているようで、実は単品の動きを通じて分類毎の、さらに購買の傾向を、或いはお客様の購買行動の方向性や共通点を捉えているんです。
それにプラスしてこのブログではマーケティングの要素を加えて、もう最強ですね(笑)。
マーケティングでは時代の流れや方向性、今後の進むべき道を示しています。さらに単品管理で現場を、そして生のお客様の購買行動を確認しています。方向性と現状、この2つを的確に掴んでいるのがこのブログなんです。疑問があればすぐに、検索し解決。それでも無理ならば遠慮なく質問してください。「コメント使用」で結構です。
単品管理において、商品を発注する時、仮説を立てる要素として立地や商圏とのお客様の関連を考えますね。
それ以外にも一般的には天候や気温が重要な要素として挙げられています。
このブログでは、その他の要素として、体感温度や湿度、日照時間等も使用しています。
また風力や服装、飲食の場所により体感温度も感じ方が変わってきますね。寒くて体が凍えて、熱いものが欲しいという人がいれば、暖房の効いた温かい部屋でアイスが食べたいという人もいます。
単品の売れ方を分析するには、それだけいろいろな方法や見方があるということです。
商品の売れ方の分析や仮説の立てる時の順番を確認しておきます。
検品や陳列といった自分が関わることで解決ができる要素は最後にします。天候や気温といった自分ではというか、人間の力ではどうにもできない要素を先に持ってくるのが基本です。こういう要素は個店だけでなく、エリア全体にも同じ影響を及ぼす共通の要素です。
具体的には、日照時間⇒天候⇒気温⇒湿度⇒商圏⇒競合⇒分類計⇒単品仕入⇒陳列といった感じでしょうか。これは絶対という訳ではありませんが、「自然の法則」に従えば、大体こんな感じで大きな要素から分析するという手順になると思います。言い方を変えれば大⇒小でもありますね。
そして手を打つのはいつも逆から、小の単品や陳列といった部分からです。
この大から小、自然から人間、そして商品という流れが体に染みついたなら「本当の単品管理」も半分以上理解できた証ですね。もう少し変化の激しい秋を満喫しましょう。
涼しくなりパンが売れていると思います。本当は秋にもパン祭りがあってもいいくらいですね(笑)。
今パンが売れていますが、ロスも多くなっていませんか?
だまされたと思って、1つの方法を実施してみてください。それはアイテム数の2割カットです。
発注数は変えても、減らして、足りなくなって増やしても良いです、それが単品管理ですから。
実践してほしいのがアイテム数の20%カットです。分類毎に20%カットでなくても良いんです。
ロスが多い(売価換算で10%以上のロス)店はパン全体の分類でアイテム数を20%カットです。
信じてみて、やってみる。その結果を教えてください。なおデザートもパンの分類に入ってるチェーンがあれば、デザートは除いてください、あくまでパンです(食パン・ロールパン・袋物・ペストリー・惣菜・菓子パンですね)。
非常に悩むと思いますが、やってみてください。貴重な体験がきっとできます。それもうれしい体験が。