ロス率については以前から指標を出しています。ロスの出るFF(デイリー)売上金額対比、平均で10%、伸ばす時は12%、絞る時は8%と。そこで実際に平均的な売上を確保できている店は問題が少ないと思います。
例をあげると、売上 400千円でFF(デイリー)売上構成比が30%とすると、400×0.3=120千円
120×8%(最低ロス率)=9,600円/日と。(1日当り売上が400千円で15千円以上ロスが出ている店は指導が必要です)
しかし、FF(デイリー)売上が100千円/日を下回る店はどうかと?なかなか10~12%のロスは出せないのが実状です。また、ロスがほとんど出ない ≠ 発注が完璧、ロスが出ていても発注は完璧にはならないことが多いのです。
私は売上の大小にかかわらず、1日当り、最低(平均)8千円(売価)のロスは必要と考えています。ただしこれはあくまでも
平均の数字です。
私は「お客様の支持を得て、客数と売上を伸ばす本当の単品管理」で「強い曜日、強い時間帯、強い商品」に絞って、店のピークを伸ばすことを指導しています。これが結果として店のピーク以外にも波及してきます。
店の立地毎の「強い=客数が多い=FF(デイリー)が売れる」時間帯に最高の品揃えを実現します。ピークが終われば、売れ筋以外の品切れはOKとします。もちろん弱い日=客数が少ない、たとえば、オフィス立地の土日等はぎりぎりの品揃えで逃げ切ります、つまりロスは8千円を下回ると。
ピーク時に発注=在庫を増やし、機会ロスをなくす。つまり最大限の売上を目指す。仮に外れた場合も弱い日のぎりぎり作戦で、強い日が外れた場合に備えて、弱い日でロス金額発生分の余裕を蓄積する訳です。
土日が強い郊外立地店の例です
(FF・デイリー売上金額;単位:円)
曜日 |
発注金額 |
売上金額 |
ロス金額 |
月 |
80,000 |
75,000 |
5,000 |
火 |
80,000 |
76,000 |
4,000 |
水 |
80,000 |
77,000 |
3,000 |
木 |
80,000 |
78,000 |
2,000 |
金 |
90,000 |
82,000 |
8,000 |
土 |
120,000 |
110,000 |
10,000 |
日 |
100,000 |
90,000 |
10,000 |
週計 |
630,000 |
588,000 |
42,000 |
平均 |
90,000 |
84,000 |
6,000 |
平均ロス金額は8千円/日で設定します。週合計で8千円×7日=56千円/週。
この表では、現在、週平均で6千円のロスということは、週合計で42千円のロス、56千円の設定からみると、まだ14千円の余裕があります。ということは土日の売上が14千円減少しても週全体から見るとロス金額は設定通りにおさまる。
しかし、そんな指導はしません。ここで重要なことは、売上減少を予測する「縮小均衡」ではなく、土日が晴だったら、客数が増えるという可能性をまず考えます。常に店の売上利益を増やすにはと
プラス思考します。つまり土日の発注をさらに、14千円増やせるのです。たとえ土日が当初の売上でもロスは計画通りになります。心配ないんです。
また発注を増やし、全部売れた場合には、ロス金額は同じで、FF(デイリー)売上が14千円伸びる、週平均で92千円になるのです。この可能性に目を向けるのです。
「弱い時は勝負を避け、強い時に勝負する」が鉄則です。
「本当の単品管理」とは1つの事象を相反する2つの視点から見ることでもあります。ロス(廃棄)の裏、反対側にもロスがあります。これがチャンス(機会)ロスです。
この成功率が高いを時を狙って、確実にチャンス(機会)ロスをなくすことが拡大均衡に繋がるのです。
小さくても良い、この成功体験の積み重ねが、自信となり、さらにお客様の支持を得る品揃えと繋がるのです。
これからの時期はプラス思考が重要です。いかに目に見えないチャンスロスが見えるか、この「見えないものが見える」能力を早く身につけてください。
次回はこんな少ないロスは信じられない、ということで少ないロスを実現する売場管理&陳列技術を説明します。
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