単品の数値を見るとき、つまりお客様の購買行動や購買心理を推測する時には
合計や平均で数値を見ないこと。合計や平均は1つ1つの要素が隠れてしまうからです。
このような集合体数値では、単品の動きを基にした仮説が出来なくなり、大雑把な推測になるのです。
年間、月間、週間といった大きな数字を捉える時には合計や平均が有効ですが。
商品やディスプレイを中心とした季節感(季節商品)の導入は
実際の季節より1ヶ月から半月前が望ましい。
ファッション業界では2ヶ月や3ヶ月前が当たり前ですが
コンビニ業界は日常品そして最寄品がメインですので
半歩というかちょっと先の季節感を演出することが店の活性化とともに
売上の維持と増進につながります。
お客様は商品を買う時には、目の前にある商品を衝動買いすることは
ほとんどなく、何らかの思いがあって来店、商品購入されます。
いきなり商品を並べたとしても、お客様に認知されてない限り売上には繋がりません。
特に固定客が多く、店の陳列や品揃えを熟知されているお客様が大半のコンビニでは。
陳列する場合も、目を引く場所にPOPやディスプレイを併用してPRすべきです。
売りたいなら、売れるようにするのがプロの仕事です。
できるだけ他店より早く導入を心がけると良いです。
お客様からに「〇〇店は新商品や季節の商品の導入が早い」と印象をもたれます。
1月から2月の在庫は絞り込むのは先述しました。
在庫の配分は、定番・政策商品が9割、新商品が1割でよいです。
新商品をどんどん導入して、購買を活性化する作戦も良いです。
しかし、お客様の購買心理が冷えているこの時期は、購買に繋がらず
単にデッドストックになる可能性が大です。
新商品を導入するのしても、今の時期は苦し紛れにメーカーが発売するものが大半で
本当の売れる商品が少ないのが現状です。1品カットしたら、また1品導入するスタイルで十分です。
とにかく、今の寒い時期は、「暖」に結びつく商品を切らさず販売します。
缶ウォーマーは台数もアイテム数も増やす。
中華まんやおでんもピーク時に合わせて準備してください。
カイロや防寒具もエンドにまとめて陳列してください。
日本では雪の積もる地域は少ないですが、降雪の影響は大きいです。
たとえば、降雪が続く場合、道に雪がたくさん積もります。
ということで、通勤、通学に時間がかかる⇒家を早く出る⇒朝食を取れない⇒会社、学校までの移動時間が長くなる。
結果として、移動中の車内でも食べれるパンやおにぎりが好まれます。
また、通勤以外でも、渋滞により、営業先への時間がかかるので、昼食もゆっくりとれない⇒車の中でパンやおにぎりで済ますこともあります。
積雪が多く、配送の便も乱れる、または配送が滞る事態になると、危機意識のせいか、日持ちのするパン等をまとめ買いする人が出てきます。
また落雷・台風の災害の停電時も、弁当や飲料水が売れます。
今回は降雪にポイントをおきましたが、気象の変化により、お客様の購買動機や購買行動が変わることも頭に入れて仮説を立て、発注に活かしてください。
追加として、降雪等で2便が遅れる場合には、深夜に納品される1便の発注数を増やしておくと、日中の2便が遅れても多少カバーできます。
私の提唱する「単品管理手法」によって、最初はすぐ成果が出ます。いわゆるビギナーズラックですね。
元々、単品管理が出来ていないので、基本通り「単品管理手法」で仮説&発注を行なうと
廃棄ロスと品切れが減り、結果として粗利益が増えます。
まず顕著なのが廃棄ロスの減少です。この廃棄が続く商品の発注数を減らし
その分を売れ筋の発注にまわす。これだけなので総発注数量は一定です。
しかし、上手くいくのは最初だけ。ここからお客様との闘いになるのです。
思った通りの展開になるのは、10日に1回あれば良いでしょう。
なかなか思うとおり(仮説のとおり)にはいきません。
コツというか、ノウハウがあるので、それをマスターし、上手く活用できるようになれば
100%とは言わないけれど、70~80%くらいの確立でお客様の動きに合わせれるようになります。
本当にマスターしたら、品揃えや商品開発もできますね。
お客様を知る 4
お客様を現場で確認することが大事
一例をあげると
いつも昼間に弁当とお茶1本を買われるお客様
暑くなると、弁当ではなく、おにぎり2個と冷麺、そしてペットボトルのお茶を2本或いは2Lのペットボトルを購入する。といった変化が見られます。
こういう変化をすばやく発見し、発注に活かすためにも現場でお客様の行動を確認しましょう。
お客様を知る 3
店の来店客と立地を知ることで
品揃えの変更が出来ます。
オープン時に、事前の予測データに基づき、本部の方で棚割を作成し、商品を陳列します。
しかし、開店後、お客様を知った上で、店に合った本当の品揃えを実現していきます。
簡単な例ですが、駅前立地で歩行者がメインターゲットであれば,
2Lのペットボトルはあまり売れないと考えられます。
逆に、住宅街の中、或いは出入口の店は2Lのペットボトルが、売れる可能性があります。
理由は、①店に歩いて来る人が大きく重い2Lのペットボトルを購入する可能性は低い。
②自分の、今の分だけを必要とする人が2Lのペットボトルを購入する可能性は低い。
もちろん、近くに中学・高校があり、部活の生徒が利用すれば別ですが。
これらは、あくまで仮説ですが、住宅街で車で来店されるお客様の方が、2Lの大型ペットボトルを購入される
可能性が高いと考えます。自分だけではなく、家族で飲む、或いは後で何回も飲む考えられるからです。また車での来店の方が、重い・大きいものも購入できます。
こういう考え方で品揃えをお客様に合わせていきます。
お客様を知る 2
お客様の来店行動から、仮説を立てられます。
例えば、朝に弁当を買われるお客様
この弁当は今食べる朝食用か
或いは会社や学校での昼食用か
それとも家の家族用かと
仮説を立てるポイントとして
・弁当を数個買われた場合は、まず自分だけの分とは考えにくい
・その場で「弁当を温めてください」という場合はすぐに食べるので、朝食用であると
・また周辺に24時間勤務の工場等があれば、仕事帰りの朝食用でもありえます
POSデータで上記の弁当のような単品の時間帯別の売上が分かりますが
その用途等は現場でないと確認できません。
ですから、朝・昼・晩にFF(ファーストフードを今後FFと表記)やパン・惣菜等の
買われ方を観る必要があります。
お客様を知る 1
店の立地選定も同様ですが
まずお客様の立場で店を見ます。
いつ、どこから、どんな手段で来店され
そして買い物をされた後、どの方向へと。
立地の善し悪しですが、簡単にいうと
店が見やすく、入りやすく、出やすいことが必須です。
ここに1つでも課題があると、CVSの経営は少し難しくなります。
立地選定の基準その他はまだ後日。