3月以降、パンの売上が伸びていると思います。
震災の影響でパンがよく売れると考えている人もいると思いますが、実は理由はそれだけではありません。
単品管理の手法をマスターすると、この数字の変化に潜む、もっといえば、お客様の購買行動や購買心理が見えてきます。
データを素直に見ると、いろいろなことが推測されます。その中でこれが変化の大きな要因だろうと特定されます。これを基に発注します、いわゆる仮説による発注です。
今はパンだけでなく、パスタや幕の内弁当も売れるようになっていると思います。
しばらくこの傾向は強まるでしょう。データを細かくチェックして売れ筋が品切れしないように。
売れる理由を考えましょう。答えは後日に。
FF(デイリー)商品の発注数の決め方がよく分からない、もっと詳しく知りたいとの要望があるので補講します。
1つの例で説明します。なおチェーン毎に分類や呼称が異なりますので、そこは自分のチェーンに置換えて。
手順は、まず過去の曜日別客数と買上率を準備してから
①納品日の客数を予測する
②予測客数に分類毎の買上率をかけて、予測販売数量を出す
③予測販売数量を単品別数量に落とす
④廃棄数量と品切れ時間、直近の動向により単品毎の発注数量を修正する
⑤チャンスロス分を上乗せ⇒売れ筋の発注数を増やす
以上が手順です。
例えば、FF(デイリー)商品が大分類、おにぎりが中分類、手巻き・直巻・セットおにぎりが小分類とすると
実際の発注は「中分類」で予測販売数量=総発注数量を出す。
さらに単品別発注数量に落とし、その上で商品の売れ行き(ロスや品切れ)を考慮し、発注数を増減する。
チャンスロス分は平日は3個、土日は5個を上乗せすると決めておけば良いですね。
中分類をマスターできたら次の段階に進みます。
小分類毎の総発注数量を決めてから単品別へ落としていくという手順で流れは中分類と同じです。
要するに、過去のデータから全体(合計数量)を予測する。その後、単品別に落としてから、見直しをかける。
①販売予測数量(合計数量)を出す (大分類)⇒中分類⇒小分類⇒単品
②(実現可能)販売数量を出す 単品+チャンスロス分
通常は①≦②となるので「拡大均衡」になり、売上・利益共伸びていくはずです。
以前から、客数予測をして、発注数を決めるという話をしています。
通常、2月より3月は客数が大きく伸びます(オフィス街や駅前立地を除く)。
移動平均或いは単純平均で、予測客数を出していると、実際の数字と乖離することがあります。
これは1年でもっと動きの鈍い1月・2月の客数を基に予測数字を算出するためです。
ですから、客数が漸増、それも大きく伸び続ける時には、平均だけではなく、
前週、或いは前々週からの伸び率を考慮する必要もあります。
結論をいうと
客数の伸びが続く時には、
①通常の客数予測(過去の〇〇平均からの客数予測)⇒〇〇は移動でも単純でも、その他でもあり
②伸び率(例 前週×1.1)から予測される客数の二本立てでいく必要があります。
何事も1つで完璧ということがないのが、「自然の法則に従った商い」ですから、これがまた強みになる訳です。
「単品管理はお客様のニーズと変化に品揃えを合わせること」ですね。
その単品管理という道具を日々の業務の中で使いこなす訓練をします。
ただ漠然とパターン発注するのではなく、ただレジを打つのではなくて。
「単品管理」という道具を上手に使えるようになる。すると「見えてくる」のです。
最初から見えてる訳ではありません。データを眺めているうちに「自然と見えてくる」ようになるのです。
私自身も最初から何でも見えてる訳ではなく、データをじっと眺めている、
見方や切り口を変えて見つめるうちに見えてくるのです。ただし、コツがありますが。
この見方や分析の仕方を訓練し、身につけ、発注に活かすことが「競争に勝ち残るため」の大事な要素です。
見えてくるのは「お客様の購買行動」だけではなく、「商品の売れる、売れない」や「商品のライフサイクル」
「自分自身の好みの変化」等、多岐に亘ります。
変化は未来永劫続きますので、私自身もまだまだ変化に対応し続け、永遠に終わりは来ないと思います。
いよいよ3月に入りましたね。私にとって、3月は新しい1年のスタートの月です。春夏秋冬の始まりの月です。
今朝、一部地域で、渓流釣り解禁で賑わった店もあると思います。
実はこの話は、私のいう自然の法則の1つの例です。
春の訪れと共に人の動きが活発になる⇒客数が増える、特に早朝。
さらに春になると出来る事や行事が増えてくる⇒渓流釣り解禁も1つの例。
郊外や行楽立地では変化がはっきりしますよね、特に土日の客数に。
ということで、「単品管理はお客様の購買行動に、品揃えや発注を合わせること」。
今日の結論、3月に入りお客様と共に、新たなスタートをきる。
そして発注するにあたっては、まず客数の変化に注目する。
来店客数を予測して、各カテゴリーの発注数を決めていきましょう。
変化が見えてくると、仮説も立てやすく、次第に正確になってきますよ。
私の理論の終盤では、「購買行動以前のお客様自身も気づかない購買心理まで追求する」がテーマです。
3月は春、気温も上がり、日照時間も長くなり、活動量が増える時期です。行事もいろいろあります。
季節の変わり目、そして一年の始まり(季節的)に、ここでもう一度店のメインターゲットを確認します。
POSデータの客層を見て、曜日別・時間帯別の傾向を掴みます。また実際にレジに立ってもいいです。
メインターゲットの例をあげると
POSデータによる我が店のメインターゲットは、30代・40代の男性、サブターゲットは20代・30代女性。
するとメイン(+サブ)ターゲットの曜日・時間帯の購入はほぼ一定で、定番の発注は、ほぼ固定されます。
さらに季節変動や月や週毎の特殊要因、行事、周辺環境の変化等を加味します。
発注は全体(合計)ではなく、定番部分と変動部分の発注を分けます。その方が次回以降も分析や修正がしやすくなります。
具体的には、3月に多いのが上旬の卒業式、入学試験、さらに中旬以降には引越し等ですね。
これらはほんの一例ですが、アパートに人が入る時には、引越業者や本人のコンビニ利用も考えられます。
また引越し当初は自炊ができずにコンビニの米飯等で済ますとかありますよね(その後も継続利用されれば固定客=メインターゲットの扱いとなります)
店のメインターゲットとサブターゲットを明確にすることで、発注も自分の頭の中も明確になります。
メインとサブで、6~7割りの構成比があれば十分です。8割もあれば完璧です(笑)
駅前立地等で客層が分散している場合には、年齢別以外にも、学生・サラリーマン・OL・主婦といった
分け方でも良いと思います。とにかく店のメインのお客様を知って、メイン(+サブ)ターゲットに品揃えと発注数を合わせることが基本ですから。
商品のライフサイクルは時代とともに変化してます。
ずっと以前は、商品が導入され、時間をかけて認知され、口コミ等により徐々に売れるようになりました。
しかし最近は新商品の乱発のせいもありますが、ライフサイクルが極端に短くなっています。
①発売時期がピークで、その後は全く売れない商品
②発売=導入後にすぐピークを迎え、後は下降する。それも落ち方が激しく、いきなり売れなくなる商品
③さらに注意したいのが、最初から全く売れない商品
定番以外は、上記のどれかに当てはまると思ってください。
商品の「売れる」「売れないの」見分け方はまた後日。とても重要で、これだけでも商売になりますね。