画面での発注で注意することがあります。いきなり単品データを見て数値を入力してはいけません。多くの人が実践されていると思いますが、まず全体を捉えることです。チェーンによりPOSデータの分析画面は異なっているでしょう。分類計の発注と販売数、そして廃棄数が出るものもあれば単に単品のデータのみとか表示されるとか。
でも単品毎のデータしかなくても、どんどんページを送り、単品の動向をざっと見通します。すると共通点を発見することがあります。多くの単品が早い時間に品切れしているとか、多くの単品で廃棄が出ているなあとかですね。
こういう傾向を掴んだ上で単品の発注に入っていくのですね。分類全体で廃棄が多いにも拘らず、この単品で廃棄が出ているから発注数を減らそうとか、誤った発注になりかねないのです。
全体で廃棄或いは品切れが発生しているときには、まず原因を掴むことです。明らかに客数が予測よりも少なく廃棄が大量に出た時には、店の前で突然道路工事があったとか、近くで交通事故があった、電車が一時不通になった、等、いろいろ原因を推測または情報収集します。
多くの商品で品切れがあった場合は、停電で食料を買い出しに来た、現場系の工事関係者が多く来たから、部活が始まった等、事前の情報と現状との差異を確認します。
予測と異なることは多く、できるだけ異なった原因を掴んでから発注に入りたいですね。でも原因不明、多くの商品で廃棄が出た、或いは品切れがあった場合は、もうそのデータを無視して発注します。
全体での傾向を掴んだ上で、単品の発注に入る。この手順が出来ていたら、もう大きなデータを基に単品の発注に入るのです。その場でいくら原因を追及してもなかなか分かることもないですし。
要するに単品のデータの多くで廃棄或いは品切れが発生したということは何らかの大きな変化があったということです。これは単品のせいではなく、「大きな流れの変化のせいであると」こう考えます。だから単品データに現れた一時的な異常値は無視して発注するのです。
一般的に物事を実践する上で必要な原理原則、「全体で捉えて部分で対応する」「大局着眼、小局着手」を単品管理でも実践してください。正しい部分の積み上げは必ずしも合計とは一致しないのです。合計とは+-が混在する中の合計であり、ある意味平均でもあるのです(⇒言葉使いが自己流で難しくてすいません、また分かりやすい表現が見つかればご案内いたします)。
発注に入る時、まず売場を見て、データの合計を見てから(或いは単品を全部さらっと眺めてから)単品の発注に入ることをお奨めします。
2月中旬から下旬、そして3月の新商品発売に向けて、在庫をどんどん減らします。人間と同じように余分な在庫を削り、シェイプアップすることで売場も動きが良くなります。今からシェイプアップしておくことで新商品をどんどん導入でき、良い場所でたくさんのフェイスをとってPRできます。すると売れ方も良く、商品の回転も早まります。もう良いことばかりですね。
逆に不良在庫或いは死に筋がたくさんあるとせっかくの新商品を並べる場所も少なく、入れても1フェイス取るのが精一杯、これでは目立たず売れる訳はありませんね。
原理原則が分かった店はもう12月中旬から冬物或いは売れ行きの悪い商品のカットを進めています。ただでさえ、売上が下がる時期、カットしてもなかなか減りませんよね。だから分かった店は売れにくい商品を年末年始のバタバタで売り切ってしまうんですね。
いつも云うように「売れ筋をカットしたら売上は落ちる」しかし、「死に筋をカットしても売上は落ちない」のです。では死に筋ではないが売れ筋でない商品は?これも立地や店の売上規模によりカット基準が異なります。
日販2,000千円の店であれば、そこそこの商品=Bランク商品もしばらく継続しても良いです。しかし日販が400~500千円クラスの店では明確なカット基準が必要です。例えば、ペットボトル飲料であれば週販8本とか。
1回の発注で入ってくるロット(発注単位)との兼ね合いでカット基準を決めます。もちろんこのカット基準は個店のこの時期(閑散期)の基準です。店や時期が変わればカット基準は変わるのが当たり前ですから。
とにかく今発注したら、この商品はいつに売り切れるかを判断して発注するのです。先ほどのペットボトルで云えば、1ロットの発注が24本、24÷8=3。つまり明日か明後日に納品されたら、3週間先には売り切れる予定ですね。具体的には1月最終週から2月第1週辺りかと予測されるのです。この場合2月中旬に新商品が入る前に売り切れるであろうということで発注します。
ただしここで要注意です。発注するためのデータは過去のデータです。今ですと年末年始のデータも入ってますよね。もし出来るならば今週の日販数を見て欲しいのです。これからは売上がさらに下がる傾向にあります。本当の先ほどの週販8本いけるのかと?再確認が必要です。もし迷ったら発注を止めてください。売場が空いたら、売れ筋のフェイス拡大で対応すればいいので。無理に発注してずっと売場を死に筋で塞ぐことはないのです。売れない時期には無駄な(必要のない)商品を置くことはないのです。売れていない商品がなくても売上は下がりません。
四季というか季節の流れと新商品の発売時期、そして売場の動きを全体的に捉えて、確実な手を打ってください。
もう一度云います「発注に迷ったら、発注停止と」
今、大手飲食チェーンで既存店売上の前年割れが続いており困窮しています。そのチェーンの戦略は低価格商品を強化し、まず客数を伸ばす。そして客数が増えた所で、単価の高い商品を導入し、客単価アップをはかる。そして売上を伸ばすと。
偉そうに云う立場ではありませんが、この戦略は一見正解のようですが、真の商いを知らない素人の発想としか言いようがないですね。このブログでもずっと書いているように安売りを続けると「安物買い」でストアロイヤリティの低いお客さんばかりどんどん集まると。そしてそんな店は「良いお客様=価格よりもシーンや品質が大事するお客様」がどんどん減っていき、安物買いの人ばかり来る店になる。もちろん客層だけでなく、従業員の質も落ちていく。もう悪循環の連鎖です。
安物買いの人は今、安くしても満足せず、さらに1円でも安く或いは1%でも安い店を求め続けます。そして1円でも安い所へガソリン代をかけてでも出かけます。決して1店では固定することはない方々ですね。こんな人に振り回される戦略はありません。もちろん、このようなお客様は単価の高い商品を買う訳がありません。
戦略と云うのはこちらからは見えない深い世界であり、一般の人が見えているのは戦術なんですね。
安売りは時には必要です。自店或いは自業態が決して高価格の店でないと示すために。また他チェーンと差別化をはかるために。でも継続することはありません、あくまでスポットで実施する。そうしないと安売りの効果が出ないんですね。
牛丼チェーンでも安売りの功罪に気づいたチェーンは違う路線を歩んでいますよね。やはり早く誤りに気づき路線変更することが必要なんです。先ほどの大手飲食チェーンは以前も安売りで失敗しているのに反省してないというか、間違いに気づいていなかったんですね。たぶん、また同じようなことをしかねませんね。
コンビニにとって飲食業は競合します。こういう自滅するチェーンは反面ありがたいです。しかしコンビニにも安売りが好き、得意という大手チェーンがあり、要注意ですね。自分の加盟するチェーンが安売りをしないからといって非難しないでくださいね。もしかすると原理原則が分かっていて安売りしないのかも。(資金がなくて出来ないチェーンも存在します)
真の商いとは「お客様が欲しい時に」「欲しいものを」「欲しいだけ提供する」ことです。それが旬であり、品質であり、機能なんです。決して価格は前面に出てこないのです。業態によって違いはありますが、コンビニ業界は決して価格競争の業態ではありません。また価格競争の世界に入って勝てる業態でもありません。コンビニは「決して価格は高くないよ、値頃な価格の商品もあるよ」にとどめるのがベターですね。
また真の商いに近道はなく、日々、「本当の単品管理」で、旬の商品を品揃えし、最適な在庫で、見やすく買いやすい売場を提供するのです。もちろんきれいな売場、心地よい接客を実現した上で。
1品1品仕入れた商品を確実に売り切って、確実に粗利益を積み上げる、こんな地味でシンプルな商い、もっと云えば商いの原点と先進性が同居した業態がコンビニかもしれませんね。
普遍性と発展性があり、ますますコンビニが楽しく思えますね。
これからの閑散期、時間に余裕があると思いがちです。しかし時間に余裕がある時こそ、行うべきこともたくさんあります。その中で優先順位が高いのが作業割当の見直しと深耕です。
現在使用している作業割当は全期間向け、全従業員向けでしょう。今この閑散期に向けて、見直しや深耕をはかり、この時だからできる差別化を図りましょう。例えば前出しです。普通前出しと云えば、商品が売れた後、奥にある商品を手前に出すことを指します。忙しい時でも疎かにせず、手隙があれば絶えず行う作業ですね。
この閑散期にはレべルアップさせます。それは「フェイスアップ」という作業も同時に行うのです。実践されている店もありますが、できていない店の方が多いと思います。
それでは前出しとフェイスアップの違いは?
前出しは奥の商品を手前に出すこと。それに対し、フェイスアップとは商品のラベルを手前に向け、商品のネームやラベルに書いてある成分や機能等を読みやすく&分かりやすくする、つまりラベルを見せることです。また食品や雑貨等で商品の厚みが薄く、ペタッと寝てしまい、商品が良く見えない時に、縦に立体的に陳列する。具体的には後ろに箱を置いたり、商品を重ねて、手前の商品を立てて、ラベルや商品自体をよく見せることを指します。
単に前に出すのではなく、商品自体をはっきり見せる陳列をすることを指すんですね。前出しは必要なくてもフェイスアップの必要な商品も多いのです。
数多くのコンビニの中で「基本の徹底レベルの高い店」は前出しをしながらフェイスアップも同時に行っています。そうすることで商品&売場の活性化がはかられ、従業員の稼働効率を上げながら、売上向上にもつながるのです。また万引き防止にも役立つことも知られています。万引き犯にすると前出しやフェイスアップで商品がきちっと管理されている店=売場や金銭管理、防犯体制もしっかりしていて、万引きしにくい店であると感じるのですね。
作業割当に書かれている単なる1つの作業と思われることでも実は奥は深く、幅も広く、関連することが多いのです。最初に作った或いは他のコピーである作業割当も店独自の、できればシーズン毎の作業割当に発展していって欲しいのです。また実際に作業するパート&アルバイトにも話を聴いて全員で作り上げるのがベターですね。
今厳冬期(閑散期)バージョンで、次は春(新生活&春物)バージョンで、なお春は人の入れ替えもあるので多少ゆとりを持たせた作業割当が望ましいですね。新人さんが作業を習得するまでには時間がかかり、作業割当通りにいかない可能性が高いので。
まずたたき台を作り全員参加で新しい作業割当をつくってください。また不都合があれば修正し、レベルアップしていけば良いのです。あくまで初回はたたき台です、時間がなければ現在のものをたたき台にしても良いですね。
作業割当をつくるポイントは、①その人、その時間しかできないことを優先する。②平準化(平均化する)こと=昼夜関係なく、シフトに入っている一人当りの作業量を同じにする⇒いつでもできるが必ず必要な作業(例えば窓ガラス清掃等)は比較的余裕がある時間に組み込む。
作業割当の見直しの質は問いません、まずやってみることです。それがスタートです。
あまり良い話ではありませんが、年間ワースト売上に向かい日々進んでいます。このブログを読まれている方はご存じとは思いますが、今年は21日(月)辺りがワースト1になる可能性が高い(立地により異なることもあり、また精算日の違いで20日もあり)のです。この流れを知っているか、知らないかでは大きく違ってきます。先行きを悲観して命を絶つ人まで出てくる時期です。
しかし流れを掴んでいる経営者は日々の売上に悲観せず、コツコツと次の準備を始めています。2月中旬からは春物が出てくる。それまでに売場をきれいにしておく。このきれいにというのは「クリンリネス」以外に「死に筋カット」も含まれています。この静かな毎日の中で死に筋を排除して、売場を来る新商品のために空けておくという作業を続けるのです。もちろん空いたフェイスは売れ筋のフェイス拡大で対応しますね。
今、手持ち無沙汰な人が出てきますので棚板を外して水洗いするのもお奨めです。水が冷たく大変かと思いますが、棚板の裏や横も結構汚れています。マジックリン等を使い、貯まった汚れを洗い流し、晴れていたなら水を切る、或いは雑巾等で水分を拭き取っても良いです。
その他エアコンのフィルターやオープンケースのガラス等、きれいにする箇所はたくさんあります。春に向かって今、心を落ち着けながら、静かに売場の準備をしましょう。
一般的には今日が仕事始め、しかしコンビニや飲食業界、一部GMSでは正月もありません。こんな業界人にお奨めするのが「1週間に1つの目標を立て実践すること」です。月に1つでは少なく、1日1つでは多すぎてプレッシャーがかかります。そんな時に(そんな人に)お奨めが1週間に1つです。
これでしたら7分の1で完遂できます。そしてもっと完成度を高めたかったら再チャレンジしてレベルアップも可能です。
私でしたら初日に何らかの形で達成し、その後気が向いたらもっと上のレベルで実践します。暇がなく、モチベーションが上がらなかったら初日のまあ、形だけの目標達成で終わります。でも何もしないのとは大違いで目標を掲げ、実践し、目標達成したんですから、達成感というか、満足感や一区切りも感じることができます。
週に1つということは年間54個です。そんなに立派な目標ばかりでなくて良いですよね。とにかく目標意識を持って、目標に向かう、そして終わる。また新たな目標に向かう、この繰り返しが実は大きな進歩に繋がるのです。
漠然と時を過ごすのではなく、何らかの例え小さな、在り来たりの目標であったとしても必ず継続することで思わぬ大きな成果に繋がるのですね。
1+1+1+・・・・・、この繰り返しが1年経つと54ではなく、もっと大きな数値となっているのです。これは実践した人しか分からない世界です、ぜひ今年は実践してみてください。
来週はこうしよう。忘れていたら今週はこうしよう。そしてネタにつきたら奥さんや従業員に訊く。さらにアルバイト、もっと云えば固定客に訊いて、それをヒントに目標を立てて良いんです。なお今まで述べた目標はあくまで「行動計画」です。店の利益計画はしっかりと綿密に数値で立ててくだいね。
コンビニ経営でずっと高いモチベーションを維持し続けることは難しいと思います。年中無休で常に競合にさらされる。またバイトの急な休みや廃棄の山等、現状だけでなく、先行きの不安もたくさんあるでしょう。
確かに課題や問題はたくさんあってなかなか解決しません。その中でモチベーションを維持する方法は?
1つは自分の趣味や好きなことでエネルギーをもらうこと。そしてもう1つはコンビニ経営自体でモチベーションを上げることです。しかし大きな違いは「維持ではなく上げる」です。年数回のピークに合わせてモチベーションを高めて、良い状態で売上や人&売場変更のピークを迎え乗り切ることです。
ところで、コンビニ経営をしていて、モチベーションが上がるのは?お客様や従業員から嬉しい&暖かい言葉をいただいた時、そして1円でも多く利益や売上が上がった時ですね。みなさんはいかがですか?
提案ですが、毎日の売上を追いかけても良い、でも自ら目標を立て、その目標を達成できた時も嬉しくモチベーションが上がり、また頑張ろうという気持ちになりますよね。明日(来週)も頑張ろうと。
1日毎の利益や売上では変動が大きく、一喜一憂になりがちです。ですから週単位での目標が望ましいですね。週単位ですと、1日や2日予算を落としても他の日でカバーできたりして、少し大きな目で捉え対応できます。そして何よりも年間の中での週と云う動きを捉えることができるのです。自然やお客様の行動は週に基づくことが多いのですね。
1年間を第1週から第54週までに分け、利益(粗利益)と売上予算を組みます。そして予算と実績を出していきます。初めて作る人は上手くいかないかも。でも1月2月の中で予算組自体を修正しながらより実態に近い予算を組んでいきます。予算作りも体験しながら会得していくのです。
もしできる人がいたら客数予算も組んでみます。売上予算ができるので売上=客数×客単価の式を使って。
モチベーションを上げるには目標を見ながら、その数値を達成できる機会を増やすことです。ただし予算自体をずっと低く設定し、常に目標達成できてもモチベーションアップにはつながりませんね。また利益、つまり自分の収入の増加にも繋がりませんし。店を経営する、オーナー=自営業という意識で「1円でも多く収入増につながる予算」を作成することがポイントですね。
予算の正解はありません、必ず自分自身で予算を作成しましょう。でも実績と云う正解は必ずやってきます。
シンプルが一番、私もそう思います。飾りや虚構がなく、ありのままで基本或いは原則がしっかりしているならば、いろいろ応用がきき、柔軟な対応ができると。流通業界で云えば、「基本の徹底」と「単品管理」、この2つがしっかり出来ていたならこの店は心配なし。
基本というのは普遍です。つまり未来永劫ですね。時代が変わっても通じる、また業種が変わっても通用するものですね。私はこの原則を手順とかフレームワークと云ってますが。
この手順を身につけるのは大変です。当たり前のことを継続して徹底するんですから。同じことを繰り返すよりも目新しいことに着手したいのが人情ですから。でも当たり前のことを徹底して継続できる人が少ないからこそ、この競争で勝てるんですよ。人が嫌がる、したくないことを地味に継続できてこそ、嬉しい結果がやってくるんです。
この退屈でつまらないブログに多くのアクセスがあるのも、この真理を知った人が多いからでしょう。一般的な見地からすると、決して奇抜なことや楽しいことのない、平凡で退屈な記事、でもこの中に儲けに繋がるたくさんのヒントが隠されているんですね。
1つ1つが理論であり、それぞれ全てが実は1つに統合されている不可思議な世界なんです。私自身はこの平凡さと時に起こる変化と、自分自身の成長に伴う環境の変化を楽しんでします。
若い頃は常に自分で新しい道を切り開いていくのが好きでした、。しかし最近ではシンプルで当たり前なことを躊躇わずに継続する。その結果としていつかやってくる嬉しい成果を楽しんでいます。
神様は正しいことを真面目にコツコツやっている人を見ています。必ずその人には嬉しいご褒美も与えてくれます。また新しい一年を新たな気持ちで迎え、1つずつ実践していきましょう。