秋物新商品が続々発売されますね。ここでは島ゴンドラ中心の新商品訴求方法をお伝えします。
新商品は定番の引き立て役、売場の活性化に使うと説いてますが、もちろん発売してすぐの売上も必要です。
そのためには最上段で3フェイス以上とり、さらに雛壇陳列、そしてPOPを貼付します。メーカーのPOPがあれば利用し、なければ手書きでも良いです。できればしゃれた独自のコピーを添えてください。
コピーが思いつかない時にはバイトの力を借りて。バイトの若い子は斬新で新しい切り口でどんどん出してくれると思います。その方法はBS(ブレーンストーミング)で。良い悪いの質は問わないで、数を出してもらいます。他の人の発想に乗り、どんどん発展させていってください。このBSで盛り上がるというプラスのエネルギーが、商品のエネルギーに加わると私は信じています。コピーが今一歩、POPの字が汚い、なんて言わずに、どんどん貼ってみましょう。
新商品がどんどん入れ替わり、POPもどんどん改廃し、次第にコピーの内容や字の上手下手も気にならなくなるでしょう。注意点として、青の用紙は使わないこと、人間にとって青は危険な色として本能的に認識されているからです。できれば黄色や赤が望ましいですね。文字の色は問いませんが、目立つ色、そして太くて、元気な文字がうれしいですね。
新商品の訴求位置は固定化し、常連客がいつもその場所の前を通ると新商品が並んでいる。そんな注目してもらえる売場にしましょう。もちろん、元売場とエンドの2ヶ所陳列は不可欠です。在庫が減る毎にエンド⇒元売場へ在庫移動します。最後は元売場で売り切るのが鉄則ですね。
明日から9月、もう秋を感じてますか?
日暮れが早くなったり、鈴虫の声がしたり、せみも随分前からツクツクボウシの声が目立って。
日照時間の減少や気温の低下により、人間の活動パターンや嗜好が変化します。特に秋は顕著な変化が見られますので注意が必要ですね。
今は食品ではあっさり系が動くといいましたが、雑貨系でみると湿度が低下するので、リップクリームも売れてきますね。
新商品はほとんど1回限りと考えておいてください。過去の同様商品の動きやメーカー名、パッケージデザイン、CMの有無等を考慮して導入してください。売れると思う商品のみ初回の発注ロットを増やし、怪しいと思われる商品はパスします。ずっと以前のようなヒット商品もないですし、ライフサイクルも極端に短くなっていますね。発売日が販売数のピークという商品も多いですよね。
新商品はあくまで引き立て役、売場のメリハリづけや季節感の演出に上手く使ってください。
秋はつるべ落とし、新商品もこんな感じで、導入⇒カット、導入⇒カットと、はかなく消えてもらってください。
もう1つ注意点として、日の出時間が遅れるほど、朝の来店客も減少してきます。会社や学校へ行く人は季節に関係なく、来店されますが、朝の散歩等のお客様が徐々に減っていきます。また行楽やレジャーに出かける人も減りますね。なお9月末には一部地域を除いて、渓流や鮎釣りが禁漁となります。ということは9月の土日には、釣りができる最後の1ヶ月として、早朝から釣りのお客様が期待できるということですか。
これは1つの例ですが、季節感を取り入れるMDも大事なんですね。本部の方では、半年前から季節商品を準備してますが、店では半月前がベターですね。
クリンリネスはコンビニに限らず全業種で必要な作業です。特に製造業では、高い徹底度が要求されます。チリやゴミ、埃で不良品が出る可能性が大きいからです。
精密機械や部品製造業と比べると、チェーン本部の指導により如何に品質管理が厳しくても、飲食・流通業はまだ緩いと思われます。実際本部指導により厳しく管理されたレベルの高いメーカーの現場を視察、或いはそこで商品開発をしてきましたので、両者の違いが感じられます。
コンビニにおけるクリンリネスの徹底に終わりはありません。私は「開店時のきれいさを維持すること」をクリンリネスの目標に挙げております。設備の古さと店舗の老朽化とは正比例の関係ではないのです。
クリンリネスには設備のメンテナンスを含みます。特に冷蔵機器は正しい場所、管理体制で、稼働し続けているかどうかです。オープンしてから店が締まるまで、冷蔵機器は停まることがないからです。
基本として、室外機の周りには何も置かない、また室外機から出た熱を返さないような空気の流れを作る。
冷蔵機器も2時間に1度は温度点検し、異常がないか確認する。もし水等が貯まっていたらふき取り、業者に点検を依頼する等です。
クリンリネスの効果として、お客様に不快感を与えないだけでなく、(これは当たり前の行為)設備の機能保持や長持ちさせる、商品の鮮度をきちっと管理することがあげられます。設備は本部の資産という考えでなく、自分の経営を守るための道具、そして顧客満足を実現する道具として考えていただきたいのです。もし自分が個人経営者になったなら設備も自分の投資で、自分の物として大事に扱うでしょう。それと同じ気持ちを持っていただきたいのです。
最後に「クリンリネスは心のクリンリネスにつながる」、つまり店や設備をきれいに大事に扱う、そして管理された店はお客様の支持も高い、さらに棚減りや万引きといった防犯対策も施してくれるのです。
安心できる、信頼できる店は、お客様にとって自分の部屋や冷蔵庫と同じなのです。欲しいものが欲しい場所にある、すると来店と共に目的を果たせるのです。品切れや基本の不徹底が理由ではなくて、滞在時間が短いお客様が多い店は、多くのお客様に支持され、安心感を与えている信頼できる店なのです。
いよいよ秋物導入です。特に菓子・ドリンクが多いでしょうか?食品や雑貨は例年通りであると。
菓子・ドリンクで初回導入条件付きはぜひ導入を。余程うれそうもない商品は省きますが、売れそうな商品は初回3~5ロット(ドリンクの場合は3ロット)導入して利益を稼ぎましょう。
菓子の新商品は、島ゴンドラの最上段で雛段陳列します。もちろんフェイスは3~。発注量(在庫)により奥行きは前後します。あまり売れそうもない商品はリピートせず、すぐカットします。新商品というのは、あくまでも売場において引き立て役です。初回だけは売れて売れ筋になりますが。年間通して、いつもコンスタントにも売れ続けるのが定番なんですね。(新商品発売時に同類の定番は一時影響を受ける場合がありますが、カットせずにフェイス縮小にて対応ください。新商品が売れなくなったらまた売れ行きは戻るので)
もうちょっと売れそうというところでカットするのが商売上手、そこでリピートすると結局売れ残り、その後からの新商品導入が遅れ、導入アイテムも減り、陳列フェイスも少なくなり目立たないと売場に大きなマイナスの影響を与えるのです。結果的にこれらが店のイメージダウンとなり、さらに死に筋や値下げ商品となり利益も減らすのです。「もうちょっと」というおいしい時に止めて、次の商品を導入する。この流れを次々に行える店が商品鮮度がよく、お客様から好評な店になるのです。ですから新商品の導入と陳列、改廃の成果が店の成否を決めるといってもいいでしょう。
カットのタイミング、これはみなさん迷うところです。店からも一番質問が多い項目ですね。
答えは1つ。「迷ったら発注を止める」、これです。店の立地や売上規模等様々、そして商品毎にも基準が異なります。ですから、次の発注をどうしようと迷ったら止めです。特に新商品が続々発売されるときは、新商品の導入を飛ばすこともあり、初回カットもあります。下手に入れて売れ残ったら、それこそ悪循環のはじまりですね。
コンビニのロスには廃棄ロスの他、棚卸ロスがあります。
廃棄ロスは数値を掴んでいて管理されているロスです。しかし棚卸ロス=棚卸減耗は本来ないはずのロス、実態をつかむ必要があります。通常3ヶ月に1回棚卸をします。その時に在庫高が確定し、棚卸ロスが出ます。
廃棄ロスはデイリー部門がほとんどであり、グローサリーは値下げ(減耗)し、その後売れなければ売価0にします。これらは値下げ(減耗)であり、廃棄ロスとは異なります。
棚卸ロスはまず部門別に把握し、できれば単品で掴んでほしいのです。というのは、単品で減耗⇒商品がなくなるということは、誰かが持っていった可能性が大きいのです。検品を通常通り行い、他店との商品の移動をしなければ、ほとんど店内で商品がなくなったと考えられます。
特定の商品であれば、どの曜日や時間帯になくなることが多いか特定できます。発注データとPOSデータを見たら、いつなくなったか判明します。ただし時間が経つとデータが消えるので、商品をある程度絞り込んで早めに確認することが大切です。
物がなくなるということは、商品を盗った人は店内外にいる可能性ありですね、人は疑いたくはないですが。
それと被害が大きいのが現金の減耗です。実査(現金合わせ)で合わないのは特定の人です。レジでの現金の受け渡しがおかしいか、何かをしているかですね。
原因不明でなくなる、それも商品や現金が。これらは、小さなうちに発見し、すぐ手を打たないと大きな事件になり、店がなくなることもあります。物がなくならない緊張感のある店づくりを目指しましょう。
お盆期間中、シフトを厚めにしている店は、手隙の時間を有効に活用しましょう。
まず前出し、次いでクリンリネス。前出しはオープンケース・ウォークイン・リーチイン優先で。島ゴンドラは一通路では数秒でできると思います。お客様の動向に注意しながら、歩きながら前出しします。
クリンリネスは入口ドアやリーチイン等の扉優先に拭きます。また複数がインしている場合には、ピーク前にごみ袋を点検し、6分目以上でしたら交換しておきます。その他は駐車場のごみもこまめに拾います。床の汚れはあまりない時期ですので、目立つところ中心にクリンリネス実施です。
あとはカウンター内のスーパーバック、割箸やスプーン、ストローの消耗品の確認と補充です。
作業割当があれば使用しますが、ない時にはメモでもいいので、バイトに指示し完了報告させます。忙しい時ほど、ピーク前の準備が重要なのです。すべて当たり前のことですが、この当たり前を完了させていることで従業員にもお客様にもゆとりと安心感、信頼感が生まれるのです。これもストアロイヤリティを築くための基本項目ですね。あわてず丁寧な接客ができる、これは十分な事前準備と現場での冷静な対応から成り立つことなのです。
いよいよお盆。シフトにアルバイトが入ってくれていますか?アルバイトがしっかりインしている店はオーナー(店長)さんは体を休めましょう。緊急事態でシフトに入る可能性もあるので。発注と金銭管理を終えたら、すぐ休みましょう。寝なくても、家でゴロゴロしていれば良いのです。もうジタバタしてもお盆が始まる前に、売上は決まっていますので。
人が足りない店は仕方ありません。この繁忙期は頑張りましょう(笑)。でもお盆明けにバイトが入ってくれるようでしたら、インしてもらい夏休みとはいかないまでも、休みをとって体の疲れをとりましょう。
夏は外が暑いけど、仕事中は店の冷房の中にずっといて、体が本来受けるべき過酷な環境とは全く違っています。さらに売上や競合、バイトの管理等、心理的負担も加わり、心も体もバテバテですね。今疲れをとっておかないとお盆明けの商品入替時期に鮮明な頭脳で対応できません。今、疲れを残さないというよりも少しでも体の負担を軽減しておくことで、今年の後半戦の戦い方が決まってきます。商売は終わりなき戦いであり、お客様や環境の変化だけでなく、自分自身の疲れや衰えとも戦わなくてはいけないのです。
忙しい時こそ、よく考えてください。今年の始めから順次案内していること、売れ筋に絞る、特に繁忙期は。普段の業務に慣れていない人でもできる陳列や発注。すべて効率よくシンプルに標準化してきているはずですね。誰でも分かる売場作り、これは固定客だけでなく、一見客にもわかりやすい売場なのです。
1つずつ細かい指示に基づき作業してきたことが今、花咲くと時なのです。この時こそ、従業員に任せて自分は休みをとる、或いは重要な指示のみ出す、そして緊急対応に備えることです。
先日、コンビニは半月先取りが良いと書きました。コンビニも流通の1つの業種ですから、変化対応業のため、来るお客様を全て受け入れるというもの事実です、しかしできる限り「良いお客様」を獲得することも大事です。
「良いお客様」というのは、ストアロイヤリティが高いお客様です。そのお客様を獲得するための秘訣が「半月先取り」ですね。
「良いお客様」というのは感性の良い(高い)お客様ですね。小売り側がお客様を差別することはよくありませんが、店を選んできていただくことは必要ですね。商品を始めとする各チェーンの力もありますが、まず現在加盟するのチェーン力の中でベストの店造りをします。
「良いお客様」は欲しいものを躊躇なく、短い時間で購入されます。どちらかというと季節先取りで。必要になるものが予め分かっているので、早めに購入すると。その1つが先取りですね。ファッションに限らず、季節先取り、必要なものを事前に用意する生活パターン(生き方)ですね。
商品の品質相応の価格であれば迷いなく購入され、気に入ればリピートします。だから商品だけでなく、基本を含めて気に入っていただくことが重要です。そしてこんな「良いお客様」は仲間を呼びます。「あそこの〇〇店、欲しい商品があって、品切れもなくて感じ良いよ」と、「良い仲間」を増やしてくれるんですね。
「本当の単品管理」ができて、「良いお客様」が多い店になると、仕入れた商品がそのままの価格で売れ、廃棄や値下げが少なくなります。一度気に入ると「ぶれない」お客様個々の思いに合わせた品揃え&発注ですから、お客様の顔や購買行動をイメージした発注ができます。つまりパーソナル対応の店へ進化できるのですね。
もちろん仕入れ=売上、つまり値入高=粗利益高ということで、日々確実に粗利益を積み重ねていけるのです。時間はかかりますが、このような堅実な足し算の商いを実現できる店に早くなっていただくことを願っております。
日本ではお盆というと13日から18日くらいをさします。地域や曜日によっても異なりますが、おおよそこの日程で特殊な変化がおきます。
1つは帰省、そしてもう1つはお盆休みです。今年は節電等もあり、ワンパターンで読めないので、固定客に訊けたら訊いてみましょう。「今年のお盆休或いは夏休みはいつですか?」と。
コンビニがお盆の影響を受けるのが大きく見て3つあります。
①発注-お盆期間は休みになることが多い、つまりカレンダーでは平日であってもお客様が休み、ということで土曜日・日曜日或いは祝日の発注になると。
②シフト-休みの人が増える、逆に主婦のみなさんは休みが欲しいですね。学校が休みで余裕のある学生さんにも頑張ってもらいましょう。
③その他-両替は銀行がカレンダー通りの営業ですので心配なし。ただいつものメンバーと異なると、納品・検品・陳列が戸惑うかも。ですからいつも売れ筋に絞ってというのです。アイテムが少なければ発注・検品・品出しも効率的で簡単ですね。アイテムが少ないとお客様からも従業員からも、その店の品揃えが、見たらすぐ分かるんですから。
お盆期間中の注意商品は、お墓参りセットやライター、虫よけスプレー、仏花等あります。これは入口側エンドでまとめて陳列、POP掲示します。さらに売り切りたい商品はこの時期だけ、最上段の売れ筋の横に1フェイスとって陳列してもOKです。何故なら、お盆期間中は固定客だけでなく、流動客(一見客)も来店する可能性が大です。いろいろな人がいろいろなシーンでやってくる、このドタバタの機会にカット商品を売り切ってしまいましょう。これは単品管理の番外編です(笑)。商いでは勢いがつくと何でもかんでも売れるという事実があるんですね。みなさんは開店初日に売れた商品を覚えてますか?その日だけ、結構いろいろ売れて品切れ続出した店も多いと思います。
アイテム数を絞ると=売上を逃すと考える人が多いですが、売れ筋を切らさずに売り続けた方が結果として売上利益が上がる。そして効率も良いことをよく考えましょう。これはABC分析やパレートの法則という基本理論です。